森本あんり『反知性主義-アメリカが生んだ「熱病」の正体』

 トランプや共和党の保守層にみられる「反知性主義」に興味を持っていたので、森本あんり『反知性主義-アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書)を通読してみました。
(森本あんり氏は、日本の神学者・牧師・国際基督教大学名誉教授で、2022年4月から東京女子大学の第17代目学長をされているそうです。)

この本の最初の方に「反知性主義」の意味するところが簡潔に書かれています。私も「反知性主義」を少し誤解していたかも知れません。「反知性主義」は「反」「知性」ではなく、「反」「知性主義」とのことです。

独立宣言によく表れているように、米国は「自由」だけでなく、「平等」の国です。英国から米国に移住した人達は、英国における身分制度(貴族制度)を忌み嫌っていました。中央政府による統制を嫌う人達ですので、米国は連邦制を採用しました。

米国のもう一つの大きな特徴は「米国は宗教(キリスト教)国家」だということです。米中西部から南東部のバイブル・ベルト(聖書地帯)には多くの熱心なキリスト教徒がおり、驚くべきことに進化論を信じていない人も多く暮らしています。キリスト原理主義者や福音派の人が多いわけですので、中絶禁止を支持する人が多いのも理解できます。

裏表紙には次のように書かれています。興味のある方には一読をお薦めします。

「民主主義の破壊者か。 あるいは平等主義の伝道者か。
アメリカではなぜ反インテリの風潮が強いのか。 なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、アメリカで変質したキリスト教が生みだした「反知性主義」にあった。 いま世界でもっとも危険なイデオロギーの意外な正体を 歴史的視点から鮮やかに描く。」

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