WBCは日本が優勝ー現実がフィクションを超えた決勝戦?

 WBCは日本がアメリカに勝利して優勝しました。日本が出る試合は全て見ましたが、準決勝(対メキシコ戦)と決勝(対米国戦)は、現実がフィクション(虚構)を凌駕した,これまでにない試合経過でした。漫画で同様のストーリーを描いたら、「漫画だからこんな非現実的なストーリを描ける」「もっとありえそうなストーリーを描いて欲しい」と、冷めた見方をする人もけっこう出てきそうです。  冷めた目で見ることももちろん必要です。  3対2で日本がリードしていた9回表のアメリカの攻撃。これでアメリカに点が入らなければ日本が勝利する重要な局面で大谷翔平がクローザー(試合を締めくくる投手)として登場し、(ダブルプレーで)ツーアウトをとり、最後の打者として登場したのがMVPを3回とっている最強の打者(の一人の)トラウトでした。トラウトは大谷のエンゼルスの同僚であり、「絵的には」最高の取り合わせです。ツーストライク・スリーボールとなり、あと1球で 決まる可能性大となり、世界中の野球ファンが注目した最後の1球。高速のスライダーがトラアウトの手元で最大43cmもカーブし、トラウトは三振。  日本チームはこれを見て感激し、マウンドに全員がかけつけました。大谷も自分のヘルメットを高く飛ばし喚起の声をあげました。  今回のWBCは興行的に大成功であり、大谷が投げ捨てたヘルメットは米国の野球博物館行きが決まりました。MLBとしても、エンゼルスとしても、日本の野球界としても「目出度し、目出度し」ということで、この試合の映 像は長い間、収益源として「活用」されるはずです。  蛇足ですが、ラッセルが野球について言ってることをご紹介しておきます。ラッセルはファンと言えるほど野球に興味を持っていたわけではないと思われますが、アメリカには通算6年以上住んだことがあるので、ラッセルの著 書の読者へのリップサービスとして?、以下のように言及しています。 (1)『ラッセル幸福論』第10章から   https://russell-j.com/beginner/HA21-060.HTM  あるいは,また,野球ファンの熱狂的な喜びを考えてみるとよい。彼は,新聞をむさぼるように読み,(実況中継をしている)ラジオから最大限のスリルを得る。私は,アメリカの代表的な文学者に初めて会ったときのことを覚えてい る。私は彼の著作(作品)から,この人は'メランコリー状態'にあると想像していた。しかし,そのとき,野球の最も決定的な結果がラジオから偶然流れてきた。彼は,私(の存在)も,文学も,その他この世の生活の悲しみをすべて忘 れ,そうして,ひいきの球団が勝利を得たとき,喜びのあまり歓声をあげた。 (Or consider again the passionate joy of the baseball fan: he turns to his newspaper with avidity, and the radio affords him the keenest thrills. I remember meeting for the first time one of the leading literary men of America, a man whom I had supposed from his books to be filled with melancholy. But it so happened that at that moment the most crucial baseball results were coming through on the radio; he forgot me, literature, and all the other sorrows of our sublunary life, and yelled with joy as his favourites achieved victory.) (2)『ラッセル教育論』第5章から    https://russell-j.com/beginner/OE05-070.HTM  人間の本能は,非常にぼんやりしたものであり,種々さまざまな方法で満足させることができる。本能の大部分は,満足させるためにはある種の技術を必要とする。クリケットと野球は同じ本能を満足させるが,男の子は,どちらか自分の覚えたほうをやるだろう。(Human instincts are very vague, and can be satisfied in a great variety of ways. Most of them require, for their gratification, some kind of skill. Cricket and baseball satisfy the same instinct, but a boy will play whichever he has learnt. )                 
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