東海林さだお_文春文庫001_太平洋の大漁節だ


 東海林さだおのエッセイは、東海林さだおの漫画同様、とても面白く、東海林さだおファンはいっぱいいます。しかし、読んだことがない人もおられるので、約100冊出版されている文春文庫版の個々のエッセイ(4,5ページの短いもの)から、それぞれ1,2箇所だけ抜粋して紹介していくことにします。

・・・。釣ったヒラメは、餌のイワシが入れてある生け簀に放り込んでしまう。ボクはびっくりして、そんなことしたらヒラメがみんなイワシを食べてしまうではないかと船頭さんに聞いた。ところが、ヒラメは、そうした気配はぜんぜん示さない。棒でつっついても動かない。どうやら焼け糞になっているらしく、刺し身なり、バター焼きなり、なんなり勝手にしてくれと、ふてくされているようにも見える。・・・。

 これは誰も思いつきそうな心配ですが、死を控えた身であれば、人間同様、食欲どころではないはずです。

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